宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2005/ 9/ 6 11:59 放射線帯の高エネルギー電子が増加しています。太陽風は穏やかになってきました。
2005/ 9/ 7 12:32 今朝、M1.4の中規模フレアが発生しました。太陽風は通常の状態です。
2005/ 9/ 8 09:19 8日2時(世界時7日17時)に、X17の猛烈な太陽フレアが太陽の東端で発生しました。
2005/ 9/ 9 12:10 今朝、X5.4の大規模フレアが発生しました。太陽の東端で非常に激しい活動が続いています。
2005/ 9/10 12:17 808黒点群によって、Xクラスの大規模フレアが連続して発生しています。太陽放射線も更に強まっています。
最新のニュース

2005/ 9/11 14:02 更新
太陽風が大きく乱れており、磁気圏ではオーロラが活発になっています。太陽では大規模フレアが続いています。

担当 篠原

宇宙天気が大きく乱れた状態が続いています。
808黒点群は次第に太陽の中心に近づいており、今後の活動は地球へより大きな影響を及ぼすことになります。
引き続き、十分な注意を続けてください。

太陽では、昨日のニュース以降も非常に活発にフレアが発生し続けています。
Xクラスの大規模フレアは、11日2時(世界時10日17時)にX1.1と、
11日7時(世界時10日22時)にX2.1の2回起こっています。
Mクラスの中規模フレアも目立ったもので、M3.7、M1.9、M4.1、M3.4と4回を数えています。
808黒点群は現在も大きな勢力を保っており、今後も活発な活動を続けそうです。

太陽放射線(非常に高速なプロトン粒子)は更に密度を上げています。
とうとう2000PFUに達しています。
高レベル状態が今後も続きます。衛星運用などでは注意が必要です。

太陽風は幾度も発生しているCME(太陽ガスの放出現象)の大きな影響が及んでいます。
ACE衛星の太陽風データの一部が太陽放射線の影響で欠けていますので、
SOHO衛星による観測データを掲載します。
これによると、今朝、11日10時(世界時11日1時)ころから非常に高速状態になっているようです。
それまでも、700km/秒ととても高速でしたが、
更に上昇して1000km/秒という非常に大きな速度となっています。

この高速風は、10日4時(世界時9日19時)のX6.2大規模フレアの時に発生した
CMEによるものではないでしょうか。
そのCMEの動画を掲載しています。

また、今朝の11日7時(世界時10日22時)のX2.1大規模フレアによるCMEの写真も2枚掲載します。
この高速太陽風は明日、12日の昼から13日にかけて地球に来るでしょう。

ACE衛星のデータから太陽風の磁場の様子を見ます。
太陽風の磁場の南北成分(赤線)が南に(マイナスに)振れると、
高速の太陽風から大きなエネルギーが磁気圏に流れ込み、
オーロラや磁気嵐などの磁気圏活動が活発化します。
現在、速度が非常に高速ですので、南を向くと、とても活発な磁気圏活動を起こす事ができます。
そして、南向きが大きくなると、激しい磁気嵐が発生することになります。

ACEの図を見ると、-5〜-10nTくらいの南向きが、図の真ん中付近、後半付近に見えています。
速度がとても高速である事が重なって、オーロラ活動をとても活発にしています。
AE指数のグラフでは、1500nTから、時として2000nTに達するような激しい変化が観測されています。

極域の空はとてもにぎやかなオーロラで彩られていることでしょう。
NICTのアラスカのオーロラライブカメラに注目して下さい。
現在は、天候が不順の様ですが、これから天候が回復すれば、
猛烈なオーロラの生放送を楽しむことができるかもしれません。

ACEの南北磁場データ(赤線)の最後の部分を見ると、現在も南より(マイナスより)の傾向が続いています。
このため、引き続きオーロラの活発な活動が見られそうです。



SOHO衛星による太陽風の観測データ。1列目は速度、2列目は密度。
(c) University of Maryland


SOHO LASCO C3カメラが捉えた、10日4時(世界時9日19時)のX6.2太陽フレアに伴うCMEの様子。
(c) ESA & NASA


SOHO衛星LASCO C3カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

9/10 23:41 UT

9/11 00:40 UT


GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽放射線データ
(c) NOAA/SEC



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。