宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 9/16 11:04 太陽風の速度は下がり(370km/秒)、たいへん穏やかな状態です。
2007/ 9/17 10:29 太陽風は低速で、磁気圏も穏やかです。コロナホールが太陽の中心に近づいています。
2007/ 9/18 10:14 低速の太陽風が続いています。セクターの切り替わりが見られている様です。
2007/ 9/19 10:08 太陽風の速度は遅く(330km/秒)、磁気圏は穏やかです。コロナホールが太陽の中心に見えています。
2007/ 9/20 10:00 太陽風は低速で、磁気圏も穏やかです。磁場強度が強まる傾向が見られます。
最新のニュース

2007/ 9/21 10:05 更新
高速の太陽風がやってきました。これから更に速度が上昇し、磁気圏も活動的になるでしょう。

担当 篠原

高速の太陽風がやって来ました。
太陽風に乱れが始まったのは、昨夕、20日18時(世界時20日9時)頃からです。
ACEの図を見てください。
太陽風の磁場強度(白線)、密度(橙色線)、速度(黄色線)が一斉に増加し、
乱れ始めています。

磁場強度は5〜10nTに強まり、増減を繰り返しています。
速度は、300km/秒台からゆっくりと増加して、現在は470km/秒ほどです。
コロナホールの広がり具合から、本格的な速度の上昇はこれからだと思います。
再び磁場強度が強まり、速度がさらに上昇することになるでしょう。
それに伴って、磁気圏も一段と活動的になると予想されます。


シベリアの磁場データを見ると、太陽風の変化が始まった後、
急に変化が大きくなっています。
活発なオーロラ活動が起こったためです。
AE指数では、500〜800nTくらいの中規模の変化が記録されています。

SOHO EIT284の太陽写真を見てください。
コロナホールは太陽の中心を通過しつつあります。
今まさに速度の高い太陽風が、地球へ向けて激しく放出されているところです。
この様子では、高速風は5日以上続くことになるでしょう。


今後は、速度が高まることで、オーロラが活発になりやすくなります。
太陽風磁場の南北成分(ACEの赤線)に注目してください。
磁場が南寄り(マイナス方向)で、振幅が大きくなると、オーロラは激しくなります。
逆に、北向きになると、オーロラは起こらなくなります。
速度が上昇傾向にあるときに、磁気圏はより活発に乱れる傾向があります。
今日から明日にかけて注意が必要です。


放射線帯高エネルギー電子は、磁気圏活動によって大きく減少しています。
高速風の中盤から、一気に増加をする可能性がありますので、
これからしばらく注目してください。

太陽は無黒点で、フレア活動は全く見られません。
こちらはたいへん穏やかです。




SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。