宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/10/12 11:14 太陽風速度は、330km/秒まで減少しました。太陽風のセクター境界が通過しました。
2006/10/13 10:58 太陽風速度が上昇傾向に転じました。磁気圏は今のところ静穏です。
2006/10/14 12:58 高速風が始まりました(500km/秒)。活発なオーロラ活動が発生してます。
2006/10/15 12:45 高速風は650km/秒に上がっています。最高速に達したと思われます。オーロラの活動も活発です。
2006/10/16 12:00 高速風はピークを過ぎ、速度は低下に向かっています(500km/秒)。放射線帯の高エネルギー電子が増加しています。
最新のニュース

2006/10/17 10:25 更新
太陽風の速度は下がり(420km/秒)、地球は高速風領域を抜け出しました。放射線帯高エネルギー電子は強まった状態が続いています。

担当 篠原

太陽風の速度はどんどん下がり、500km/秒から420km/秒に下がりました。
通常の速度に戻ったと言えます。
27日周期の図より、高速風の変化を前周期(9月17日〜20日)と比較すると、
継続期間がやや広がり、地球への到来のタイミングが1日ほど早まっています。

速度が低下に向かっていますが、太陽風磁場の南北成分は-2nTくらいの弱い南向きが発生しています。
このため、小規模のオーロラ活動は継続している様です。
AE指数のグラフを見ると、あまり明瞭ではありませんが、
300〜500nTくらいの変化が比較的連続的に発生しているようです。
南向きの振幅が小さいことと、速度が下がっているため、小さな活動にとどまっています。

27日周期の図から、今後の変化を予想してみましょう(図の時刻は世界時です)。
前周期は9月20日に太陽風の速度(緑色線)が下がり、
21日から23日前半にかけて低速風が続いています。
23日に入ったところで、磁場強度(青線)が強まり始め、
23日の後半から速度が上昇を開始しています。
24日に入ると太陽風の速度は650km/秒に達し、かなりの高速状態になりました。
南向き磁場(赤線のマイナス変化)が強まったため、オーロラ活動が活発になり(24日の水色線の増加)、
小規模の磁気嵐も発生しています(24日の桃色線の減少)。

高速風の発生源のコロナホールは、SOHO EIT284の2枚目の写真(9月19日)で見ることができます。
太陽の中心からやや東寄り(左寄り)に暗い穴が見えています。
ここがコロナホールです。
これを最新の写真(EIT284の1枚目)と比較してください。
コロナホールはほぼ同じ位置にあり、やや濃く、大きくなっているように感じます。

位置に大きな変化がないことから、前周期と同様の変化がこのあと見られると予想できます。
日付を今周期に変換すると、今日から19日にかけて穏やかな太陽風が続きます。
20日になると磁場強度に変化が始まり、これを前触れとする様に、速度の上昇が始まるでしょう。
日本時間では21日に入っているかもしれません。
高速風の規模は前周期と同様か、コロナホールが拡大している印象から、
やや強まっているかもしれません。
特に20日から21日にかけては、オーロラ観望も期待できます。

放射線帯の高エネルギー電子の強まった状態が続いています。
GOES12(赤線)では、密度がやや増加しています。
衛星運用では支障が発生しやすい状態が続いていますので、注意が必要です。
今後の太陽風の変化を考えると、次の高速風が来る21日くらいまで警戒状態が続くと予想されます。
27日周期の図で、前周期の変化を参考にしてください。
この時も、9月19日に増加した高エネルギー電子は、23日の擾乱が始まるまで高いレベルを続けていました。

太陽は引き続き無黒点です。
X線のグラフは最低レベルを続けていて、非常に穏やかです。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

10/16 13:07 UT

9/19 13:06 UT


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。