宇宙天気 2006/ 7/ 1

宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト): 2006/ 6/26 10:17　太陽風は低速で(300km/秒)、磁気圏は静穏です。明日以降、高速風が来る可能性があります。; 2006/ 6/27 09:43　太陽風の速度がかなり遅くなっています(270km/秒)。磁気圏はとても穏やかです。; 2006/ 6/28 10:55　コロナホールの影響が現れ始めました。現在の速度は380km/秒。引き続き上昇しそうです。; 2006/ 6/29 10:43　太陽風が高速になっています(550〜600km/秒)。磁場強度は強まったままです(15nT)。; 2006/ 6/30 10:43　太陽風の速度は最高速を過ぎて、次第に低下しています(520km/秒)。磁気圏では小規模の活動が起こっている程度です。; 最新のニュース

2006/ 7/ 1 11:10　更新
地球は高速風帯を抜けつつあります(450km/秒)。次のコロナホールが、EIT284で見えています。

担当　篠原

太陽風の速度は低下し続けています。
昨日の520km/秒から、ほぼ一定の速度で下がり続け、450km/秒になりました。
やや高速という速度です。

磁場強度は4nT。
南北成分は南寄りの傾向が見えています。
-3nTくらいの南向きが頻繁に現れていて、磁気圏もその影響で小規模の乱れが発生しています。
AE指数では300〜500nTくらいの小規模のオーロラ活動が頻繁に見られています。
速度が下がりつつあるため、大きな活動は発生しなかったのでしょう。

地球は今回の高速風帯を抜け出しつつあります。
今日は更に速度が下がって、静穏レベルに戻るでしょう。

SOHO EIT284の太陽写真には、
中心から東(左)に寄ったところに次のコロナホールが見えてきました。
この写真では、コロナホールは明日くらいに太陽の中心線に達しそうです。
従って、4日後の5日頃から地球へ影響を及ぼし始めそうです。

このコロナホールは、前周期は6月6日以降に高速風をもたらしていました。
これを27日周期で考えると明後日の3日になります。
写真からの予想とは2日のずれが生じます。
その原因は2つあり、実は、前回の時も高速風は写真の予想より1日早くやって来ました。
また、今回、太陽の中心に新しく活動領域ができていて、
コロナホールの分布が前回よりも左側に寄って見えるようになったということです。
3日以降は、太陽風に乱れが始まってもおかしくありませんので、注意する必要があるでしょう。

今回の高速風が過ぎて、放射線帯の高エネルギー電子は、わずかに増加しています。
警戒ラインよりは1桁以上下で、今回は大きな増加には繋がらないでしょう。

太陽では、898黒点群が目玉焼きのように丸い大きな姿を見せています。
ちかちかと小規模の活動は続けていますが、目立った発達をする事もなく、
太陽のフレア活動は静穏な状態が続きそうです。

SOHO衛星のEIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

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