宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/ 6/18 09:33 太陽風は高速の状態が続いています(580km/秒)。これから次第に低下に向かうでしょう。
2006/ 6/19 11:20 太陽風の速度がやや下がっています(500km/秒)。地球は高速風領域を抜け出し始めています。
2006/ 6/20 10:42 太陽風の速度が下がりました(400km/秒)。磁気圏も静穏です。
2006/ 6/21 10:05 太陽風の速度はかなり遅くなっています(340km/秒)。磁気圏は静穏です。
2006/ 6/22 10:32 かなり低速の太陽風が続いています(300km/秒)。磁気圏も静穏です。
最新のニュース

2006/ 6/23 10:23 更新
太陽風は低速で、磁気圏も穏やかです。太陽は無黒点になっています。

担当 篠原

前周期の5月31日から、コロナホールによる高速の太陽風がやって来ました。
これは、今周期では6月27日にあたります。
その発生原因となるコロナホールの姿が見えて来ている頃です。
そこで、SOHO EIT284の最新(6月22日、左)の写真と、27日前(5月26日、右)の写真を比較します。

右の前周期の写真では、太陽の中心やや上から、東(左)方向にかけて、
暗いコロナホールが延びているのが見えます。
特に、東よりの、赤道に近いコロナホールが、
地球へやってきた高速風の主な発生源だったと考えられます。

これと比較して、左の最新の写真では、コロナホールが淡くなって、
全体的に見えにくくなっているのが分かります(同じ場所に影は見えています)。
この様子では、今回はコロナホールの影響が弱まっているのではないでしょうか。
まだ、高速風は残っているでしょうが、最高速の高さや、継続期間など、
前回よりも規模が縮小している可能性があります。
答えが見えてくるのは4日後以降になりますが、
この写真の変化を考慮しつつ今後の太陽風の変化を見ていくと面白いでしょう。

さて、現在の状況ですが、太陽風は300〜340km/秒の速度で、低速のままです。
磁場強度は5nTと普通の状態です。
南北成分は、-2nTくらいの弱い南向きが数時間続く変化が見えています。
これに対応するように、AE指数では小さな変化が見えています。
この様な低速風の時は、オーロラの活動領域が高緯度側に移動します。
したがって、AE観測点よりも高緯度側に行くと、
もう少し大きなオーロラ活動が見えていたかもしれません。
もちろん、その場合でも小規模の活動です。

上に書きましたが、次の高速風が来るのは27日頃になるでしょう。
それまでは、現在の穏やかな状態が続くでしょう。

太陽のフレア活動もとても穏やかです。
X線のグラフは観測の最低レベルに落ちている様です。
黒点も、896の番号はありますが、実際には黒点は消えていて、
太陽は無黒点になっているそうです。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

6/22 19:06 UT

5/26 19:06 UT


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。