宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
コロナホール (NICT)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
カナダ磁場 (CANOPUS)
オーロラ帯 (CANOPUS)
オーロラ(衛星) (NICT)
Alaskaカメラ (SALMON)
カナダカメラ (CANOPUS)

情報ページ
宇宙天気用語集
宇宙環境情報
太陽地球環境予報
太陽地球環境情報サービス
宇宙天気システムグループ
Space Environment Center
これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2005/ 1/15 11:45 X1.3の大規模フレアが発生しました。太陽風は南向き磁場が強まって、オーロラが活発になっています。
2005/ 1/16 13:49 X2.6の大規模フレアが発生しています。full halo CMEも観測されており、明日以降、磁気嵐発生の可能性があります。
2005/ 1/17 10:33 間もなく最初の太陽風衝撃波が届き、磁気嵐など活発な変動が始まるでしょう。また、太陽風の南向き磁場が強まっています。
2005/ 1/17 23:01 太陽風が一段と高速になり、オーロラが非常に活発になっています。また、X4.2の非常に大きなフレアが発生しました。
2005/ 1/18 10:35 昨夕、X3.8の大規模フレアが発生しました。太陽風は高速状態で、非常に活発なオーロラ活動が度々発生しています。
最新のニュース

2005/ 1/19 12:01 更新
太陽風が非常に高速です(950km/秒)。オーロラはたいへん活発ですが、磁気嵐はあまり発達していません。また、太陽放射線は次第に減少しています。
2005/ 1/19 15:44 追加 
太陽風は高速で(900km/秒)、オーロラ活動は現在もたいへん活発です。磁気嵐の発達も見られています。

担当 篠原

太陽放射線の影響で、ACE衛星の太陽風観測に支障が発生していましたが、
放射線レベルの低下によって19日7時半(世界時18日22時半)頃から観測が再開されています。
それによると、現在太陽風は速度950km/秒と非常に高速です。
一昨日から同じ様な調子でオーロラや低緯度磁場が荒れ続けていたため、
明確には判別できなかったのですが、新たな衝撃波が到来したようです。

参考のために、SOHO衛星が搭載している太陽風観測装置のデータを紹介します。
この図によると、昨日18日12時(世界時18日3時)以降に速度が上昇し、
以後は700〜800km/秒の範囲で太陽風が非常に高速状態になっていた様です。
ただし、この速度上昇付近の観測誤差が大きくなっている事、
18日19時(世界時18日10時)頃に速度が一旦下がって再び上昇するという不安定な変化を示しているなど、
データの正確性でやや気になる点もあります。
そして、19日6時(世界時18日21時)にもう一段の上昇が発生し、
太陽風の速度が1000km/秒に上がっています。

18日12時(世界時18日3時)の高速風の原因がどのCMEに当たるのか、
考えているのですがなかなか難しいです。
17日18時(世界時17日9時)のX3.8大規模フレアのCMEによるとすると、
18時間足らずで到着したことになり、早すぎると思われます。
一方、19日6時(世界時18日21時)の高速風がX3.8フレアによると考えると、
こちらは到着まで約1日半となり、妥当な数値になります。
一方で、昨日の速度上昇に連動した太陽風磁場の増加や地上磁場の増加などの乱れは
ほとんど観測されていません。
(このため、高速風の到来が明確に分かりませんでした)
この点でも、やや不思議な印象の高速風です。

さて、太陽風の擾乱ですが、速度が高い上に、磁場強度も20nTに達していました。
ただ、長時間強い南向きになることがほとんどなく、磁気嵐としてはあまり大規模な発達になりませんでした。
沖縄の磁場データを見ると、局地的に-170nTに達する変化も見られますが、
概ね-100nT程度の磁場減少に留まっています。

太陽風磁場で、-10nT〜-20nTの強い南向きが2時間ほど続くということは度々ありましたので、
それに応じてオーロラ活動が非常に活発になっています。
AE指数で見ると、1500nTから2000nTを越える様な激しい活動がいくつも観測されています。

太陽風の速度は依然非常に高速で、太陽風磁場もとても強い状態です。
太陽風磁場の南向きが強まると、今後も激しいオーロラ活動が続くと思われます。

太陽放射線は次第に減少しています。
最大で5000PFUに達していましたが、現在は200PFUにまで下がっています。

720黒点群は依然活動を続けています。
フレアに対する注意は必要ですが、太陽の西の端に近づいていますので、
CMEによって地球へ影響を及ぼす可能性は下がっています。

2005/ 1/19 15:44 追加 (篠原) 関連の図はページの最後にあります
19日15時半(世界時19日6時半)現在、太陽風は速度900km/秒と非常に高速です。
磁場強度も依然20nTとたいへん強い状態が続いています。
AE指数によると現在も1500nTに達する様な強い変動が続いていて、
オーロラもたいへん活発に活動している様です。
また、沖縄の磁場データでは、地上の磁場強度の急な低下が観測されています。
静穏レベル(青の横線)から-100nTも低下しており、更に下がりそうな様子です。
ここへ来て、磁気嵐が発達を始めているのだと思われます。

ACEの磁場データ南北成分(赤線)を見ると、ほとんど0に近く、
目立った南向き成分は見られていません。
太陽風が非常に高速なのは事実ですが、南向きがこれほど弱いにしては、
磁気圏の擾乱が活発過ぎる印象を持っています。
ACEの磁場観測の数値は速報値であるので、大きな誤差を含むことが時々あります。
現在がその状態かどうかは分かりませんが、
少し注意して磁気圏擾乱の進行を見ていた方が良い様に感じられます。



SOHO衛星のCELIAS/MTOF Proton Monitorによる太陽風速度観測。
(c) University of Maryland


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



GOES衛星の太陽放射線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC




2005/ 1/19 15:44 追加

ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT





この情報ページについて、コメント、要望などがありましたら、
篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。